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「ハリポタ」のフクロウ と 「ラスカル」のアライグマの図式



 

1970年代の「ラスカル」のアライグマ、1990年代以降の「ハリポタ」のフクロウ ・・・ 過ちは繰り返される

 

 

日本で現在進行中のふくろうカフェブームの発端が、映画「ハリーポッター」であることは間違いない。

 


 

 

すでに「ハリーポッター」を生んだイギリスでもフクロウをペットとして飼う人が、映画の人気とともに急増したという前例がある。映画「ハリーポッター」にはフクロウが頻繁に登場する。主に手紙を配達するメッセンジャーとして重要な役割を演じている。ネット上には「ハリーポッター」にでてくるフクロウを扱ったサイトすらある。「ハリポタ」人気に平行してインドのフクロウが乱獲され、環境問題となり、インドの環境相が苦言を呈したこともある。  http://www.telegraph.co.uk/culture/harry-potter/8109961/Harry-Potter-threatening-Indias-owls-claims-minister.html

 


 


 

 

 

しかし、2011年の最終回の「死の秘宝」とともに映画「ハリーポッター」シリーズがついに終了すると、それまで飼っていたフクロウを捨てるひとがたくさん出てきた。ブームが続いているうちは、もともとわかっていたはずの飼育の困難さはなんとかしのいでいたが、ブームが去ると、苦労するだけの意味が消えてしまったということであろうか。それとも“やはり自然に還そう” と自己正当化しつつ、野山に捨てたのであろうか。イギリスでこの現象が社会問題化したのは2012年のことである。ついこのあいだのことである。 http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/hundreds-of-pet-owls-abandoned-after-840299

 

 

 

 

実は日本では「ハリポタ」のフクロウ以前に、アライグマで同様の現象があった。「アライグマ、ラスカル」 という日本のアニメ の人気に端を発するものである。今からもう40年近く前のことで、昨今ふくろうカフェに夢中になっている20代、30代の若い世代の知らない話であるが、彼らの親の世代はその洗礼を受けていたはずである。

 

 


 

 

フジテレビ系の世界名作劇場枠で放送された作品で、放映期間は、1977年1月2日から12月25日で全52話。米国の作家スターリング・ノースが自らの少年時代を回想した小説、『はるかなるわがラスカル』を原作とした、日本のテレビアニメで、11歳の少年、スターリング・ノースとあらいぐまの「ラスカル」の友情物語である。

 

後ろ足で立ったり、歩いたりして、両手で器用にいろいろなことができるアライグマはたちまち日本人をとりこにして、“かわいい異色なペット” というブームの先駆けとなった。「あらいぐまラスカル」 は視聴率21.6%を記録し、アニメで非常に可愛らしく描かれ、飼う人が続出したのが1977年のことである。

 


 

 

 

ペット業者は北米からこのアライグマを輸入販売し、多くの人が子供にせがまれたりしてこの異国の動物をペットとして購入したものである。 しかし、この動物は成獣になると非常に獰猛で、飼育がむずかしかった。“ラスカルブーム” が去ると、この飼育のむずかしさばかりが負担になってきて、けっきょく 野山に放つひとが後を絶たなかった。アニメ「あらいぐまラスカル」 に登場する少年は、最終回に、ラスカルは自然とともに暮らすのが一番だと最後は森に放す。このラストシーンを真似ながら、ペットオーナーとしての自分の無責任さを正当化していたひとが相当いたに違いない。

  

  

 




 

 

捨てられたり、逃げられたりして、放映から10年後くらいから日本のあちこちでアライグマの野生化が確認されるようになり、2005年に「外来生物法」により「特定外来生物」に指定されてからは、許可なく飼育・販売・譲渡することはできなくなった。放野されたアライグマは、高い繁殖性や国内に天敵・競争種がいないことなどから定着し、全国規模で生息分布を広げている。捕獲された個体は、動物福祉に配慮して薬殺や二酸化炭素吸入によって 殺処分しなければならないことになっている。外来生物法による防除や駆除を含めたアライグマの捕獲数は2008年14000頭。 アライグマによる農作物被害2009年度は全国で約2億8千万円と数年で倍増。 (以上、出典ウィキペディア等)

 

 

現在では日本のほぼ全国に分布し、“日本の侵略的外来哺乳類ワースト10” の堂々トップである。彼らは好き好んで自分から日本に “侵略” してきたのではない。かれらは “無理やり” 連れてこられたのである。侵略的外来種” などという用語じたいが人間の身勝手さを如実に表している。

 

 


 

 

 

 フクロウたちの運命

 

 

 

さて、ここまで 4年前のイギリスのフクロウたちの運命 と、約40年前の日本のアライグマたちの運命 をみてきたが、こうした前例を挙げた理由はもうおわかりであろう。それは現在の日本の “ふくろうカフェ” やペットオーナーたちの飼育するフクロウたちの今後の運命についての懸念 である。ふくろうカフェは動物の商業的利用の日本独自のビジネスモデルで、フランチャイズ化して現在全国的に拡大している。そろそろ台湾、韓国にもできるかもしれない。さらに欧米にもできる可能性もある。このふくろうカフェという日本独自の流行現象を通して今の日本人が見えてくる。

 

ふくろうカフェの業者は生体販売もしているところがかなりあり、「当店のフクロウはすべて国内で交配、繁殖したものなので安心です」というようなことを言っている。ハリーポッターで一躍人気の出たシロフクロウは、30万円から40万円が相場で、お面のような顔をしたメンフクロウは10万円~20万円、もっと小型のコキンメフクロウは15万円~30万円である。寿命は大きさにほぼ比例し、コキンメの10~15年、メンフクロウの15年~20年、シロフクロウの25年~30年といったところである。

 

 

 

 

 

 

動物愛護の伝統があり、バードウォッチングの発祥の国であるイギリスでも、「ハリポタ」ブームが去ると、フクロウ飼育の困難さと負担ばかりがのしかかり、多くのひとたちがフクロウを捨てた。同じことが日本では絶対に起きないと言えるだろうか。イギリス人は概して古いもの好きだが、日本人は “新し物好き” である。つまり、流行が去ると見向きもしなくなる国民である。次のものを追いかけるのに忙しくなる悲しい習性である。

 

ふくろうカフェやフクロウ販売業者たちは、ブームが終わる前にとにかく稼ぎまくろうとして現在必死の思いであろう。業者たちはいつまでもブームが続くなどとは思っていないのだ。ブームに陰りがさす前に大儲けしないと、いったん冷え込んだら最後だとわかっている。いったんブームが去ると、飼育の手間、毎日のエサの準備、フンの始末の負担が飼育者の両肩にずっしりとのしかかってくるのだ。しかもフクロウたちは10年以上は軽く生きるのである。シロフクロウときたら、へたをすれば30年は生きるのだ。

 

 

 

数年後には、誰にも見られないように車に載せてひとのいない山に連れて行き、夜の森にフクロウをそっと放つ人々が全国的に出てくるのではなかろうかと懸念される。生まれてから一度も自分で獲物をとったことがないフクロウたちは自分でエサを獲ることもできず、飢え死にするものもいるだろう。逆に他の大型猛禽類に狙われる可能性もある。

 


 

フクロウの餌

 

右: 冷凍ハツカネズミ

 

 

下左: 冷凍ヒヨコ

 

下中: 冷凍ヒヨコ

 

下右: 冷凍ウズラ

 

 

 電子レンジで解凍してから、キッチンばさみで解体して食べやすくするのだそうだ。毎日台所でこれを繰り返すのである。

 


 

 

 

4年前のイギリスのフクロウたちの運命と、約40年前の日本のアライグマたちの運命を忘れてはいけない。ただでさえたいへんな飼育の負担が苦にならないのは、ブームが続いている間だけなのである。

 

 
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